キャッシング返済の時効に関して

キャッシング返済に時効は成立するのか・・・考えたことある?

キャッシングの基本中の基本ですが、お金を借りた側(債務者)は貸し手であるキャッシング業者(債権者)に、借りたお金を返済すべきなのは言うまでもありません。しかし、債務者が債権者にお金を払わなくてよくなる時期、つまり「時効」が成立することってあると思いますか?

結論から申しますと、あります。物理的には可能です。しかし、現実的な話ではありませんし、時効成立を狙っても良いことは何もないということだけは、はっきり言っておきましょう。

時効成立は5年

専門用語で言うと、キャッシングで借りたお金は「商事債券」と言い、5年で時効が成立することになっています。しかし、以下の条件を満たして初めて成立となります。

◆時効が中断していない
◆援用手続を行う

時効の起点となるのは、返済をしなかった翌日です。例えば、毎月10日が返済日で、7月10日と8月10日は返済済み、しかし9月10日は返済しなかったとなると、9月11日が時効の起点となります。その日から5年が経過すると時効成立です。

しかし、上の条件にあるように、時効が中断していない場合のみ時効成立となります。どんなケースで時効が中断するかというと・・・

●キャッシング業者の請求があった場合
キャッシング業者が裁判所などを通して請求手続きしたならば、時効の中断となります。

●キャッシング業者による差押え、仮差押えまたは仮処分があった場合
キャッシング業者が債務者の財産や給料を差し押さえる権利を行使した場合にも、時効の中断とみなされます。

●債務者が借金の承認をした場合
債務者側が借金の存在を認める何らかの行為をした場合、時効の中断となります。例えば、キャッシング業者が「1,000円でも良いので払って下さい」と請求してきた時に、もし払ってしまったなら借金の存在を承認したことになり、時効は中断となります。

また、援用手続きを行なわないと時効は成立しないということですが、援用手続きとは「時効が成立したので、借りたお金は一切返済しません」と宣言することです。時効である5年が経過しただけでなく、この宣言が時効成立の必須条件となります。

時効成立は現実的な見方?

一言で言えば、非現実的でしょう。まず、キャッシング業者も貸金業のプロですから、時効成立のリセットを狙って時効中断となる債務者の「承認」を取り付けようとするのは必至です。

では、キャッシング業者とコンタクトが取れないよう夜逃げをしたならどうなるでしょうか?夜逃げで行方をくらましても、キャッシング業者は「公示送達」という手段を使って、時効中断事由である請求を行なってきます。公示送達、つまり、裁判所に掲示することによって本人に返済請求をしたことと同じにする行為のことですが、公示送達があればまたそこで時効算出がリセットされてしまいます。

ですから、キャッシングの返済を何とかしないで済まそうと考えること自体大きな間違いであることを「承認」すべきなのです。キャッシング前から返済に対する心構えをもっておくことが賢明です。
(⇒返済に対する心得を学ぼう!