子供も口ずさむ、キャッシングのテレビCMの裏事情
昭和生まれの方ならご存じかと思われますが、1990年代はキャッシングのテレビCMの全盛期でした。しかし、今は夜中の時間に素朴なCMが流れるだけとなってしまったのですが、それには特別な理由とこれまでの様々な過程が関係しているのです。
キャッシングCM全盛期
キャッシングCMが全盛期の時、女性がCMでデビュー、その後はトップアイドルへの階段が用意されていた、といっても過言ではない状況でした。実際、多くのアイドルを排出したわけですが、キャッシング業者の売り上げもうなぎ上り、貸付残高は約8年で倍増したのです(1996年~2004年の比較による)。
子供までがキャッシングのCMの歌や決まり文句を口ずさむ状況でしたから、広告の影響力を再認識すべき時期でもありました。規制を求める声が上がり始めたのはちょうどその頃です。
キャッシングCM規制の過程
2005年には、午後5時~9時の間、キャッシング業者のテレビCM放映禁止となり、それとほぼ同時に、消費者金融の内容を伝えていないもの、計画的利用を促す表現が入っていないものも不合格となり、放送不可となってしまいました。
確かに、すでに倒産した某業者のレオタード姿の女性がダンスしているCMは、内容自体はキャッシングに全く関係ありませんでしたからね。規制の声が上がっても仕方ないと言えば仕方なかったかもしれません。
その後、2006年には午前7時~9時、午後5時~10時の間もCM放送禁止となり、さらに各社のCMは100本/月と制限され、しかもそのうち午後10時~深夜0時は50本までという厳しい規制がしかれたのです。
キャッシングCMの現状
こうした過程をふまえ、深夜だけに「真面目」なキャッシング業者のCMが流れるという現状に至るわけです。私もキャッシングCM世代ですから、キャッシングCMとともに育ったと言っても良いくらいなのですが、そのCMが影を潜めている現状はさみしい限りです。
今敷かれている規制の範囲内で、さらにユニークなCMが生まれることを心から期待しています。