「あの業者、あの銀行の傘下なの?」そんな、銀行系キャッシングの話
90年代前半にバブル経済が弾けて後、大手消費者金融業者は、大手銀行の傘下に入る事が多くなり、現在では、大手消費者金融業者は、そのほとんどが大手銀行の傘下に入り営業を続けています。
大手銀行側からすれば、本来得意の分野ではなかった、比較的小口の融資を、傘下に収めた消費者金融業者が行ってくれるメリットがあります。消費者金融業者サイドとしては、大手銀行の資本力に頼る事が可能となりかつ、「サラ金」のイメージを払拭して、イメージアップを図る事も出来ます。双方の思惑が一致して誕生したのが、銀行系消費者金融業者なのです。
主だった銀行系消費者金融業者としては、SMFGグループの金融会社SMBCコンシューマーファイナンスの「プロミス」、三菱東京UFJ銀行グループの「モビット」、新生銀行グループの「ノーローン」、同「レイク」など、大手消費者金融業者が大手銀行の傘下に入り、銀行系消費者金融業者と名乗る事を選択しています。
2010年6月に完全施行された貸金業法と、利息法の改正で、上限金利が20%に制限され、所謂「グレーゾーン金利」が廃止されました。その様な状況下、消費者金融業者は大手銀行の傘下に入らなければ、経営に大きなダメージを受ける事態となったのです。その結果が、大手銀行の傘下に入る事だったのです。
事実、消費者金融業者最大手だった「武富士」は、独立の道を歩んだ結果、倒産しました。「アイフル」はADR(Alternative Dispute Resolution、裁判外紛争解決手続)、即ち仲裁、調停などによる、裁判によらない紛争解決方法の道を歩まなざるを得なくなりました。
大手銀行の傘下に入ると言う事は、総量規制の対象となりますが、上限金利が20%に抑えられ総量規制の対象となっても、大手銀行の傘下に入る事は、消費者金融業者にとって、多大なメリットをもたらす事なのです。